アカウントで専用エグレス IP を有効にすると、Cloudflare はユーザーの物理的な位置や、アクセス先リソースの位置などの要因に応じて、ユーザートラフィックを各 IP のあいだで自動的に分散します。たとえば、アムステルダム、ロンドン、ワシントン D.C. にエグレス IP のロケーションがあり、ポリシーを設定していない場合、Cloudflare は次のようにエグレス IP を割り当てます。
- オランダ付近のユーザーにはアムステルダムのエグレス IP
- イングランド付近のユーザーにはロンドンのエグレス IP
- 北米のユーザーにはワシントン D.C. のエグレス IP
Cloudflare のネットワーク設計により、ユーザーは Cloudflare ネットワーク上で、宛先までの最速の経路を取れます。ほとんどの場合、エグレス IP の追加によるレイテンシの増加はわずかです。
ユーザーの物理的な位置に最も近い地域へ、分散した IP を予約することを推奨します。たとえば、ユーザーがすべて北米にいる場合は、冗長性と性能を確保するため、北米の複数データセンターに IP を配置することを検討してください。
明示的なエグレスが必要な拠点がある場合も、複数のエグレス IP を予約します。たとえば、ロンドンからエグレスする必要があり、ダブリンへフォールバックできないユーザーがいる場合は、冗長性を確保するためにロンドンの複数拠点へ IP を配置します。あわせて、この要件を持つすべてのユーザーに対して、トラフィックがロンドンのエグレス IP のいずれかでエグレスするようにポリシーを作成します。
エグレスポリシーのよくある用途のひとつは、SAML に対応していない SaaS アプリケーション(または IP レベルの制御しか使えないベンダーサービス)へアクセスするユーザーに、一貫したエグレス IP を確保することです。選択肢がある場合、または自社でアプリケーションを管理している場合は、IP レベルの認証から、継続的な評価を使うアイデンティティに基づく認証へ移すために Cloudflare Access を使うことを強く推奨します。
大半のユースケースをカバーしつつ、ポリシー管理が複雑になりすぎないベースラインのエグレスポリシーを作ることを推奨します。すべてのユーザーが、特定のエグレス IP を必要とする一連のアプリケーションにアクセスする場合は、それらのユーザー(または全ユーザー)向けに明示的なポリシーを作り、トラフィックがそのエグレス IP で出ていくようにします。たとえば、財務データへアクセスできるユーザーに特定のエグレス IP を定義できます。
| Selector | Operator | Value | エグレス方法 |
|---|---|---|---|
| User Group Email | in | Finance Users | Use dedicated Cloudflare egress IPs |
| プライマリ IPv4 アドレス | IPv6 アドレス |
|---|---|
203.0.113.0 |
2001:db8::/32 |
curl "https://api.cloudflare.com/client/v4/accounts/$ACCOUNT_ID/gateway/rules" \
--request POST \
--header "Authorization: Bearer $CLOUDFLARE_API_TOKEN" \
--json '{
"action": "egress",
"description": "Define static egress for finance team",
"enabled": true,
"filters": [
"egress"
],
"name": "Finance team static egress",
"precedence": 0,
"identity": "any(identity.groups.name[*] in {\"finance\"})",
"rule_settings": {
"egress": {
"ipv4": "<DEDICATED_IPV4_ADDRESS>",
"ipv4_fallback": "<SECONDARY_DEDICATED_IPV6_ADDRESS>",
"ipv6": "<DEDICATED_IPV6_ADDRESS>"
}
}
}'特定のユーザーグループが、エグレスする場所を自分で変える必要がある場合があります。Cloudflare では、あらかじめ決めた別の地域からアクセスしているかのように、アプリケーションやサイトのリソースを検証する品質保証(QA)チームでよく見られます。必要なときはエグレスポリシーで管理できますが、管理画面と既存ポリシーを継続的に変更せずに済ませたい利用者がほとんどです。そのために、エグレスポリシーのセレクターとして使える仮想ネットワークを作成できます。ユーザーは接続先の仮想ネットワークを切り替え、エグレス IP を自分で変更できます。
詳細は、ユーザーが選べるエグレス IP のチュートリアル を参照してください。